財務諸表の信頼性に重要な影響を及ぼす開示事項等

財務報告の定義に含まれる「財務諸表の信頼性に重要な影響を及ぼす開示事項等」の範囲はどのようなものか。


(答)
1.「財務諸表の信頼性に重要な影響を及ぼす開示事項等」とは、有価証券報告書等における財務諸表以外の開示事項等で次に掲げるものをいう(実施基準Ⅱ1①ロ)。

(1)財務諸表に記載された金額、数値、注記を要約、抜粋、分解又は利用して記載すべき開示事項

(2)関係会社の判定、連結の範囲の決定、持分法の適用の要否、関連当事者の判定その他財務諸表の作成における判断に密接に関わる事項

とされているが、これらは、有価証券報告書の「経理の状況」に記載される開示事項に限定されないことに留意が必要である。

2.1の(1)の事項としては、例えば、有価証券報告書の記載事項中、「企業の概況」の「主要な経営指標等の推移」の項目、「事業の状況」の「業績等の概要」、「生産、受注及び販売の状況」、「事業等のリスク」、「研究開発活動」及び「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の項目、「設備の状況」の項目、「提出会社の状況」の「株式等の状況」、「自己株式の取得等の状況」、「配当政策」及び「コーポレート・ガバナンスの状況等」の項目、「経理の状況」の「主要な資産及び負債の内容」及び「その他」の項目、「保証会社情報」の「保証の対象となっている社債」の項目並びに「指数等の情報」の項目のうち、財務諸表の表示等を用いた記載が挙げられる(実施基準Ⅱ1①ロa)。

この点に係る経営者の評価は、財務諸表に記載された内容が適切に要約、抜粋、分解又は利用される体制が整備及び運用されているかについて行うものであることに留意する。

3.1の(2)の事項としては、例えば、有価証券報告書の記載事項中、「企業の概況」の「事業の内容」及び「関係会社の状況」の項目、「提出会社の状況」の「大株主の状況」の項目における関係会社、関連当事者、大株主等の記載事項が挙げられる(実施基準Ⅱ1①ロb)。

この点に係る経営者の評価は、これらの事項が財務諸表作成における重要な判断に及ぼす影響の大きさを勘案して行われるものであり、必ずしも上記開示項目における記載内容の全てを対象とするものではないことに留意が必要である。

例えば、「大株主の状況」の項目については、「大株主の状況」に記載しているすべての情報に係る内部統制を評価範囲とするのではなく、株式の保有割合が50%や20%といった比率を超えるかどうかといった関係会社の判定や関連当事者の判定に重要な影響を及ぼす部分に係る内部統制を評価範囲に含めることになると考えられる。